Entries from 2021-08-30 to 1 day
第七話 レディー・キャロライン (一八一二年初-一八一四年、イギリス 1/16) 愛らしいワルツよ!汝のとろけるような調べを聞けば、アイルランドのジッグも、古風なリガドゥーンもスコットランドのリールも色あせ、田舎の踊りなんかどうでもよくなる。ただ…
第六話 若き貴公子(一八○五年夏 ~ 一八○九年夏 イギリス 18/18) このブログの内容全ての著作権はかわまりに帰属します。 「ケンブリッジでマシューズを待っているのは相も変らないライプニッツやら、マクローリンやら、オイラーやらだ。」とホブハウスが…
第六話 若き貴公子(一八○五年夏 ~ 一八○九年夏 イギリス 17/18 ) このブログの内容全ての著作権はかわまりに帰属します。 「みなさん、先月僕は、『イングランドの詩人とスコットランドの批評家』を脱稿しました。去年の春から一年かけて全部で千行を越え…
第六話 若き貴公子(一八○五年夏 ~ 一八○九年夏 イギリス 16/18 ) このブログの内容全ての著作権はかわまりに帰属します。 バイロンはさらに磨きをかけて泥の匂いも消えた骸骨にわずかばかりの酒を注いで飲んでみた。バイロンが修道士のものだと信じている…
第六話 若き貴公子(一八○五年夏 ~ 一八○九年夏 イギリス 15/18 ) このブログの内容全ての著作権はかわまりに帰属します。 僕がこの宝石をいとおしく思うのはみせかけの輝きのせいではない。この石が光り輝いたのはほんの一瞬、石は元の持ち主と同じくバラ…
第六話 若き貴公子(一八○五年夏 ~ 一八○九年夏 イギリス 14/18) このブログの内容全ての著作権はかわまりに帰属します。 帰りの道すがら、馬の手綱をフレッチャーに握らせ、ゆっくりと歩む馬の上でバイロンは腕組みをしてうなだれた。バイロンとマシュー…
第六話 若き貴公子(一八○五年夏 ~ 一八○九年夏 イギリス 13/18 ) このブログの内容全ての著作権はかわまりに帰属します。 その夏、ロンドンはかつてないほど暑かった。バイロンはマシューズらがロンドンに来る前からフレッチャーに衣類と馬の番をさせて前…
第六話 若き貴公子(一八○五年夏 ~ 一八○九年夏 イギリス 12/18 ) このブログの内容全ての著作権はかわまりに帰属します。 またもやめぐってきた、クリスマスを目前にした頭の痛い期末試験が終わり、仲間内で酒を酌み交わしながらバイロンは言った。「これ…
第六話 若き貴公子(一八○五年夏 ~ 一八○九年夏 イギリス 11/18 ) このブログの内容全ての著作権はかわまりに帰属します。 のどかな田園風景を望む小高い場所に来た時、バイロンは馬を繋ぐことのできる木と座ることのできる草地を見つけて馬を下りた。エー…
第六話 若き貴公子(一八○五年夏 ~ 一八○九年夏 イギリス 10/18) このブログの内容全ての著作権はかわまりに帰属します。 「どうだ、『遁走詩集』よりもまとまっているだろう。」とバイロンが言うとホブハウスは「そりゃそうじゃなくちゃ・・・。」と言っ…
第六話 若き貴公子(一八○五年夏 ~ 一八○九年夏 イギリス 9/18) このブログの内容全ての著作権はかわまりに帰属します。 デービス、マシューズ、ホブハウスの三人がフレッチャーが御者を勤めるバイロンの馬車に乗ってケンブリッジに戻る日、フレッチャーが…