黄昏のエポック - バイロン郷の夢と冒険

かわまりの読書ルーム II

Entries from 2021-09-06 to 1 day

【読書ルームII(115) 黄昏のエポック- バイロン郷の夢と冒険】

第九話 スコットランドの荒野にて(一七九八年 イギリス)1/5 さるほどに、一人の「天使」の目に見えぬ加護のおかげでこの廃嫡の「少年」は太陽の光に酔って生きつづけその飲むものは悉く、その食ふものは悉く、朱金の色の神酒と化り、不老長寿の御饌とな…

【読書ルームII(114) 黄昏のエポック- バイロン郷の夢と冒険】

(第八話 暴風雨 (一八一八年 ~ 一八二二年 イタリア 17/17) 翌日、ヴィアレッギオ近辺の漁民たちが、かつては詩人パーシー・ビッシュ・シェリーだった、その見るもおぞましい物体を麻布でくるみ、ボートに乗せて悲劇の結末を確かめようと人々が集まった…

【読書ルームII(113) 黄昏のエポック- バイロン郷の夢と冒険】

(第八話 暴風雨 (一八一八年 ~ 一八二二年 イタリア 16/17 ) テレサの馬車がピサとリヴォルノの間十マイルを並み足の速さで進み、リヴォルノ郊外のバイロンの別荘に三人の女と従者たちが到着した時、あたりはもう真っ暗な闇に包まれていたが、別荘の中に…

【読書ルームII(112) 黄昏のエポック- バイロン郷の夢と冒険】

(第八話 暴風雨 (一八一八年 ~ 一八二二年 イタリア 15/17 ) その後の四日の間、バイロンはハント家のことはシェリーとウィリアムズに任せっきりで、ガンバ伯爵父子が国境の外で必要とするものを買い揃えたり、自分の屋敷で預かれるものを運ばせたりする…

【読書ルームII(111) 黄昏のエポック- バイロン郷の夢と冒険】

(第八話 暴風雨 (一八一八年 ~ 一八二二年 イタリア 14/17 ) 「二週間ほど前、あれは六月十六日でした。メアリーが昼前に腹が痛いと言い出したので寝室に寝かせて、僕が書斎で『生の勝利』の始めのほうを書いていると突然、寝室からメアリーのものすごい…

【読書ルームII(110) 黄昏のエポック- バイロン郷の夢と冒険】

(第八話 暴風雨 (一八一八年 ~ 一八二二年 イタリア 13/17 ) 夕食の後で長旅で疲れきったハント家の人々はさっさと寝室に引き下がり、バイロン、シェリー、ウィリアムズの三人が居間に残った。シェリーは上機嫌だった。「彼が創刊する雑誌はきっと、うま…