黄昏のエポック - バイロン郷の夢と冒険

かわまりの読書ルーム II

Entries from 2021-09-01 to 1 day

【読書ルームII(90) 黄昏のエポック- バイロン郷の夢と冒険】

第七話 レディー・キャロライン (一八一二年初-一八一四年、イギリス 9/16) 「僕はウィリアム・ラム卿と進歩(ホィッグ)党の評判だけは絶対に傷つけたくない。だから僕のほうから彼女に話しかけたり手を出したりはしていない。」「それだけで済むのかな・…

【読書ルームII(89) 黄昏のエポック- バイロン郷の夢と冒険】

第七話 レディー・キャロライン (一八一二年初-一八一四年、イギリス 8/16) 夏に入ってもバイロンには社交場からの招待状がひっきりなしに寄せられていた。バイロンはそれらの招待が進歩(ホィッグ)党員からか王党(トーリー)派からかを問わず、一応は出席…

【読書ルームII(88) 黄昏のエポック- バイロン郷の夢と冒険】

第七話 レディー・キャロライン (一八一二年初-一八一四年、イギリス 7 /16 メルボルン夫人が指定した日時にバイロンはメルボルン・ハウスに出向いた。メルボルン夫人は化粧中ということですぐには現われなかった。バイロンは気が赴くままにオランダ直輸…

【読書ルームII(87) 黄昏のエポック- バイロン郷の夢と冒険】

第七話 レディー・キャロライン (一八一二年初-一八一四年、イギリス 6/16 メルボルン・ハウスを初めて訪れてから二、三日ほど後からバイロンのアパートにはいろいろな社交場からのバーティーの案内が届くようになった。「ある朝、目覚めたら自分は有名に…

【読書ルームII(86) 黄昏のエポック- バイロン郷の夢と冒険】

第七話 レディー・キャロライン (一八一二年初-一八一四年、イギリス 5/16 ホランド・ハウスと同じく、広間に十分な人数が集まった頃に楽団が静かに席を占め、音楽を演奏し始めた。バイロンは思い出したことがあり、控え室と言ってあてがわれた部屋にいる…

【読書ルームII(85) 黄昏のエポック- バイロン郷の夢と冒険】

第七話 レディー・キャロライン (一八一二年初-一八一四年、イギリス 4/16 「さあ、ここがバイロン卿の控えの間です。おつきの方は隣の部屋にいらっしゃいます。この二部屋をご自由にお使いになってください。」とラム夫人は言った。メルボルン邸の主な場…

【読書ルームII(84) 黄昏のエポック- バイロン郷の夢と冒険】

第七話 レディー・キャロライン (一八一二年初-一八一四年、イギリス 3/16) 一週間後、そして二週間後、次第に変化していく自分の周りの空気を感じながらバイロンはホランド・ハウスの広間の入り口に置かれた長椅子に座り、集まった男の中に金髪の巻き毛…

【読書ルームII(83) 黄昏のエポック- バイロン郷の夢と冒険】

第七話 レディー・キャロライン (一八一二年初-一八一四年、イギリス 2/16) ホランド男爵夫妻が居住する館、通称ホランド・ハウスはロンドンの中心部から二マイルほど郊外にあり、冬枯れの木々に包まれた閑静な趣の館だった。今日もバイロンは従者と共に…