黄昏のエポック - バイロン郷の夢と冒険

かわまりの読書ルーム II

Entries from 2021-08-21 to 1 day

【読書ルームII(11) 黄昏のエポック- バイロン郷の夢と冒険】

第一話 レマン湖の月 (一八一六年夏 スイス 11/17) このブログの内容全ての著作権はかわまりに帰属します。 階下ではクレアの歌声が続いていたが、窓の外では雲の流れが速く、今にも雷雨が襲ってきそうな不穏な気配が漂っていた。 突然、階下のクレアの歌…

【読書ルームII(10) 黄昏のエポック- バイロン郷の夢と冒険】

第一話 レマン湖の月 (一八一六年夏 スイス 10/17) このブログの内容全ての著作権はかわまりに帰属します。 そんな子供じみた戯言(たわごと)を大人になって唱えることが許されるとでも思っているのか?いいか、女に関する限り、君が夢だと理想だとか言っ…

【読書ルームII(9) 黄昏のエポック- バイロン郷の夢と冒険】

第一話 レマン湖の月 (一八一六年夏 スイス 9/17 ) このブログの内容全ての著作権はかわまりに帰属します。 「その時突然、私は見た。一群れの黄金(こがね)色の水仙を。」「湖に沿って、木の下で、そよ風に揺れて踊っている水仙を・・・。」 文学に関する…

【読書ルームII(8) 黄昏のエポック- バイロン郷の夢と冒険】

第一話 レマン湖の月 (一八一六年夏 スイス 8/17) このブログの内容全ての著作権はかわまりに帰属します。 バイロン、シェリー、そしてメアリーの三人、時折間の抜けた横槍を入れるポリドリを含めた四人はよく自由思想について語った。そして、話題はス…

【読書ルームII(7) 黄昏のエポック- バイロン郷の夢と冒険】

第一話 レマン湖の月 (一八一六年夏 スイス 7/17) このブログの内容全ての著作権はかわまりに帰属します。 ジュネーブのホテル英国(オ テ ル ・ ト ゙ ・ ラ ンク ゙ ル テ ー ル)の食堂でまた食事を共にする約束などするまでもなく、バイロンはパーシー・ビッシュ・シ…

【読書ルームII(6) 黄昏のエポック- バイロン郷の夢と冒険】

第一話 レマン湖の月 (一八一六年夏 スイス 6/17) このブログの内容全ての著作権はかわまりに帰属します。 同じ年の二月の初め、凍てつく夜のことだった。 妻との別居のこと、別居後の生活費、生まれたばかりの子供の養育費のことなど、数々の頭の痛い問…

【読書ルームII(5) 黄昏のエポック- バイロン郷の夢と冒険】

第一話 レマン湖の月 (一八一六年夏 スイス 5/17) このブログの内容全ての著作権はかわまりに帰属します。 「閣下(ロード)、とうとうまた、お会いすることができました。これが私の姉メアリー・ゴッドウィン。こちらが姉の恋人で詩人のパーシー・ビッシ…

【読書ルームII(4) 黄昏のエポック- バイロン郷の夢と冒険】

第一話 レマン湖の月 (一八一六年夏 スイス 4/17) このブログの内容全ての著作権はかわまりに帰属します。 約三ヶ月前の一八一六年四月二十五日、バイロンは医者のジョン・ポリドリ、従者のウィリアム・フレッチャーとロバート・ラシュトンの三人を伴い、…

【読書ルームII(3) 黄昏のエポック- バイロン郷の夢と冒険】

第一話 レマン湖の月 (一八一六年夏 スイス 3/17) このブログの内容全ての著作権はかわまりに帰属します。 メアリー、クレア、ジョン・ポリドリの三人はとっくの昔に朝食を済ませているようだった。バイロンは朝食は我慢することにした。母親譲りの太り…

【読書ルームII(2) 黄昏のエポック- バイロン郷の夢と冒険】

第一話 レマン湖の月 (一八一六年夏 スイス 2/17) このブログの内容全ての著作権はかわまりに帰属します。 「閣下(ロード)起きていますか?」声の主はクレアだった。寝巻きを着たままのバイロンが歩み寄って扉を開けるとメアリーも一緒だった。「お早よ…

【読書ルームII(1) 黄昏のエポック- バイロン郷の夢と冒険】

My days are in the yellow leaf; 私の日々は黄色い葉の中 The flowers and fruits of Love are gone; 愛の花と果実は消えうせた。 ジョージ・ゴードンバイロン 「この日、三十六年を生きて」より 第一話 レマン湖の月 (一八一六年夏 スイス 1/17 ) この…